ジャニーズタレント徹底論考

経験を積ませる「現場主義」

ジャニーズ、待望の初舞台は「第19回日劇ウエスタンカーニバル」。1963年1月のことだった。 で初舞台を踏む。ただし、この時点で持ち歌のなかった彼らは、『ロコモーション』を歌う伊東ゆかりのバックで踊っているだけだった。

テレビにも『ホイホイミュージックスクール』や『てんですてきなショウ』など、テレビ史に名前が残る歌謡番組にトップスターのバックで踊る出演をしていたが、まだレコードデビューはしなかった。

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「確かにレコードを出せば売り切れるかもしれないが、そんなことは重要ではないのです。われわれの目的はミュージカル。その目途がはっきりするまではゴーサインは出さないつもりだった」(『「ジャニー喜多川」の戦略と戦術』でジャニー喜多川)

現在も踏襲されている、お披露目と歌のデビューの時間差商法は、ファンにレコードデビューを待望させる「焦らし」効果があるともいわれる。また一方では、歌のデビューが遅いのではなく、あえてはやめのお披露目をすることで経験を積ませる「現場主義」(郷ひろみ)という見方もある。

「ジャニーズ事務所はいまでもそうらしいが、芸能界に足を踏みいれてキョトキョトしているときに、有無をいわきずステージにあげてしまうやり方なんだ。レッスンなんかはあとまわし。とにかく現場を踏ませてしまう。そのときはもう夢中だから、あがってるゆとりもありやしないってわけだ。

 信じられないけれど、ぼくはダンスでもボーカルでも演技でも、レッスンらしいレッスンなんか受けたことはない。あそこはこうやれ、ここはこうと、ジャニーさんからステージングなんか教えられた。フォーリーブスからも教わった。でも、それは楽屋とかステージの袖とかで、コチョコチョてなもん。それでステージにポーンと出ちゃうわけ。

 徹底した現場主義。理論よりも実践。仕事するなかで、いろいろなことをマスターしていくわけ。この場数を踏むというのは、大切なことなんじゃないかな。へんなたとえだけど、いろいろな格闘技のトレーニングを積むよりも、実際に喧嘩をしたやつのほうが強いっていうよね。場数を踏むことで、場慣れもするし、呼吸や気合いものみこめる。現場というのは、待ったなしのギリギリの場だから、要領をマスターするのも早い。ジャニーさんのやり方が、徹底してこれ。ひとつでも場数を踏ませるやり方。別のいい方をすれば、経験主義ということになるかな」(郷ひろみ『たったひとり』小学館)

ジャニーズはまさに、現在のジャニーズタレントデビュー組のモデル的存在なのである。

アイドル帝国ジャニーズ 50年の光芒 (宝島社新書)

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  • 作者: 小菅 宏
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2012/06/09
  • メディア: 新書