ジャニーズタレント徹底論考

ジャニーズ以来の伝統を継承

フォーリーブスは、ジャニーズの解散によっていよいよジャニー喜多川に本腰を入れてプッシュされるようになる。

この時代は、テレビ番組やタレントのコンセプトが「静から動へ」移っていった時代だった。『シャボン玉ホリデー』のようなバラエティがヒットし、マイクの後ろにつったってしゃべる漫才やコミックバンドにかわって、カメラをはみ出して動き回るコント55号が台頭してきた時代である。

もとより、歌って踊るというのはジャニーズ以来の同事務所の伝統といっていい。そうしたタレント育成のコンセプトはジャニーズ事務所の慧眼であるとも思える。

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歌って踊れる中性的アイドル

もうひとつは、ジャニーズ的アイドル像がこのときに形成されたことも見ておきたい。

あおい輝彦らの元祖ジャニーズは、みな短髪で、全月が大学進学を希望する詰め襟学生服を着た健全な高校生だった。彼らも歌って踊れるというセールスポイントはあったが、まだ、旧来の「青春歌謡」的な男臭さが残っていた。

ところが、GSブームを契機にしてできたフォーリーブスは、ザ・タイガースやザ・スパイダースの熱狂的人気に対抗すべく、長髪に、中性的な甘い顔立ちの男性アイドルグループを売り出しにかかった。

その路線が、郷ひろみやシブがき隊、光GENJI、たのきんトリオの田原俊彦、野村義男、近藤真彦、少年隊、SMAP、KinKi Kids、TOKIO、V6、嵐、滝沢秀明、今井翼、KAT-TUN、関ジャニ∞、HeySayJUMPら、ジャニーズ史を作ってきた各グループに継承されている。

歌って踊れる中性的アイドル。GSブームにいったんは一敗地に塗れたかにみえたジャニーズ事務所は、GSブームに迎合することなく、この対抗するコンセプトを打ち立てた。これは現在にも、そして、おそらくはこれからも使うコンセプトである。

ジャニーズ事務所とて、平坦な上り坂を上るようにこんにちの隆盛に到達したわけではない。だが、同事務所のしたたかなところは、敗北から学び、その後の躍進に必ず結びつけていることである。

その意味で、この68年のジャニーズ解散からフォーリーブス誕生までは、同事務所45年史のハイライトのひとつといっていいのではないだろうか。

フォーリーブスがレコードデビュー

1968年9月5日、フォーリーブスはソニーレコード設立と同時に、第1号アーティストとして『オリビアの調べ』でレコードデビューした。

オリビアの調べ

以来、主なシングルだけでも『恋するジャック』『シャボンの匂いの女の子』『君にこの歌を』(1969年) 『若者は旅をつづける』『あしたが生まれる』(1970年)『地球はひとつ』『はじめての世界で』(1971年) 『新しい冒険』(1972年)『大人への階段』(1973年)『急げ!若者』(1974年)『違い目』(1975年)『魅せられし魂』(1976年)『ブルドッグ』(1977年)『THE END-思いがけず出会ったら-』(1978年)など37作をリリースし、そのほとんどがヒット。一定の歌唱力と清潔感を売り物に、60年代終盤から70年代まで息の長いアイドルとして活躍した。
アイドル帝国ジャニーズ 50年の光芒 (宝島社新書)

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  • 作者: 小菅 宏
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2012/06/09
  • メディア: 新書