ジャニーズタレント徹底論考

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グループ活動に個々の活動もつながる

嵐の2011年は後半の巻き返しがすごかった。前半はSMAPの支援がクローズアップされていたが、先輩をたてて自分たちはあとから、ということだったのだろうか。すでにみたように、中居正広がしたとされる2億円を、数字で上回る3億円の寄付を行ったと話題になった。

そして、グループとしての仕事は、メンバー個々の仕事にも関わってくる。

ファンなら先刻承知のことだが、松本潤は2011年10月29日~11月6日まで、彩の国さいたま芸術劇場で『あゝ、荒野』に主演。寺山修司が初めて手掛けた長編小説を蜷川幸雄が演出した。

蜷川幸雄といえば、『血は立ったまま眠っている』(10年)で、いささか不遇をかこつ立場だった森田剛を舞台俳優として輝かせた実績がある。ジャニーズ事務所にとっても大切な演出家だ。今度は松本潤を主演に迎え、再びテラヤマワールドに挑んだ。

「三方一両得」の「つながり」

松本潤が11月のNHKの番組で取材地を埼玉にしたのは、公演場所を考えた「つながり」であると、もちろん一部のファンは見抜いている。すなわち、埼玉で公演中に、埼玉の精密板金加工工場をたずねることで、公演、テレビ番組、埼玉が相乗効果を狙える「三方一両得」の「つながり」になるわけだ。

「つながり」はまだある。「3億円寄付」がスポーツ紙にデカデカと報じられたその日、今度は相葉雅紀が新CM『味覚糖のど飴』の発表会を行っている。

CMは7日からオンエアされているので、会見が絶対にその日でなければいけないというわけではないが、あえて、嵐がいちだんと注目される4日にもってくるところは、「つながり」というよりも「つなげる」というべきか。

会場には、主催者側が1万6000個ののどあめでできた等身大の像「のど飴戦士アイバチャン」を用意。相葉も白尽くめの衣装に赤いスカーフで現れ、「今日はテンションがすごい高いんです。こういう格好は好きです。アイバチャンって、自分の名前がつくのは特別な感じで、こんなうれしいことはないです」

「昔のロックスターのポーズでいこうと言われ、思い付いたのはこの決めポーズ。ビートを刻んでいたら、それはやらなくていいと却下されました。苦労してできた作品です」などと興奮してコメントした(『日刊スポーツ』2011年11月5日付)

「つながり」も自然体に

こうしてみると、嵐の国民的スターになるためのプロモーションと震災支援、そして『紅白』司会(決定)はまるでひとつのストーリーのようにつながり、さらに個々のメンバーの仕事も連関していることが分かる。

かといって、ギラギラした売名を感じるわけでもなく、ファンや国民に対して「お前らも何か支援しろよ」というような啓蒙のにおいもない。ここが重要なところだ。彼らは不仲ではないが、決してベタベタしたり友情を強調したりしない。そうした「個性を無理に強調しない個性」が今回も貫かれているのだ。

たとえば、震災直後に支援等活躍が目立ったSMAPの場合には、「みんなできることをやろうよ」という啓蒙色があった。もちろん、有名人の支援はそうした意図が本来あるべきものかもしれないし、とりわけスターにはそうしたオピニオンリーダー的な牽引力が求められるのかもしれないが、強制をしない自然体というのも嵐らしい行為ではないか。

なぜ、嵐が人気者なのか。いろいろ意見・評価はあるだろう。ただ、その真骨頂はこうした強要も啓蒙もないナチュラルな生き様にこそあるのではないか。

彼らにはそれなりにスキャンダルはあったが、彼らだからスルーしてもらえる。つまり、普段からきれいごとを言っているスターは、それだけスキャンダルが発覚したときの風当たりも強くなる。

しかし、彼らのような人の心にも入り込まない自然体には「若いんだからいろいろあるだろう」で済んでしまうのだ。得なキャラクターである。

彼らが今のようなキャラである限り、「嵐の時代」はさらに続くのではないだろうか。

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