橋田壽賀子も“応援団長”で北京入り
SMAPにとって2011年は大変エポックメーキングな年になった。東日本大震災ではいちはやく動き、中居正広が2億円寄付して福島に赴いたことが話題になった。また、ジャニーズ事務所としては画期的な新曲のネットリリースを行い、秋にはなかなか実現しなかった中国公演が実現したのだ。
9月16日をSMAPファンは忘れてはならない。そう、いろいろ書かれたが、とにかく初めての北京公演を行った日である。中国の政治利用というだけでなく、彼らにとって20周年にあたる記念イベントのひとつといってもいいのだ。アラフォーを迎えた彼らは、これを区切りにまた新たな道を進んでいく。
9月16日をSMAPファンは忘れてはならない。そう、いろいろ書かれたが、とにかく初めての北京公演を行った日である。中国の政治利用というだけでなく、彼らにとって20周年にあたる記念イベントのひとつといってもいいのだ。アラフォーを迎えた彼らは、これを区切りにまた新たな道を進んでいく。
「SMAPのメンバーはみな興奮気味でした。なかでもキムタクはとくにハイテンション。人民大会堂の廊下を仕切るカーテンを開けて広大なフロアを覗き込み、感動したのか『スゲ~』と独り言を言っていました。完全に中国の思う壺でしたね」(『週刊文春』9月29日号で北京特派員)
「思う壺」というのは、前回ご紹介したように、北京公演は中国政府の肝いりで開催された。中国政府による反日感情を抑えるための役割を担わされたのに、単純なキムタクはひっかかってしまったというニュアンスである。
だが、政治家が政治的な策略としてその歌手を招いたとしても、歌手には何の罪もない。いかなる意味づけの公演であろうが、SMAPのメンバーがテンションをあげるのはプロとして当然のことであろう。
もっとも、招かれたSMAPが存分に自分たちの仕事ができたかといえばそれは怪しい。『日刊スポーツ』(9月17日付)は次のように書いている。
「安全面を考慮して中国当局に“待った”を掛けられた部分もあった。火薬の使用は厳薬。客席を回るトロッコの使用も許可が下りなかった。さらに、客席との距離は15メートル。花道はなく、通常公演の倍の距離が置かれた。木村拓哉(38)は、『OKですよ、という範囲が違う。客席が遠い』と驚いた。稲垣吾郎(37)は「決まりは決まり。逆にこういうことをやることで大丈夫と思っていただいて、意識が変わるきっかけにねればうれしいですね』と前向きに捉えた。
SMAPの公演は4時間近くに及ぶこともあるが、当局から約2時間と設定された。公演時間が半分の分、魅力を凝縮した内容で構成。木村と共演し、中国でも人気の台湾出身、女優リン・チーリンを特別ゲストで招待。また、『夜空ノムコウ』『世界に一つだけの花』やテレサ・テンらが歌った中岡の人気曲『月亮代表我的心(月は私の心)』を中国語で歌い上げた」
記者会見には、扇千景元参議院議長や脚本家の橋田壽賀子なども出席していた。橋田は、『女性セブン』(10月13日号)にそのときの経緯や心境を述べているので引用しよう。
「(ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』を)この20年間で、スペシャルも含め、約540時間分の脚本を書きました。400字詰めの原稿用紙で3万2000枚。8月初めごろにようやく書き終えて、やれやれと思っていたところに、TBSの関係者から、北京公演のお誘いを受けたんです。それで『はい、行きます、行きます』ってふたつ返事をしました。
脚本家っていうのは、とにかく孤独に耐えて、ひとりで書くのが仕事ですから、精神的にも肉体的にも参ってしまいます。そんなときに、大好きなSMAPの“追っかけ”をするだけで気分転換になるし、元気をもらえるんですよ。
そうしたら、北京に行く3日前に、ジャニーズ事務所から北京公演のパンフレット一式が送られてきて、それを見たら、なんと私が“応援団長”になっているからビックリ!
北京へは1ファンとして、Tシャツにスニーカーという“普段着”で見に行こうと思ってたんですが、それを(泉)ピン子(64才)に見せたら、
「中国の偉い人に会うことになるかもしれないわよ。そんな普段着で行っちゃダメよ!」と言われて、慌てて洋服ダンスからロングドレスを出して、持っていくことになったんですよ(笑い)」
SMAPは過去にも中国公演を企画しながらなかなか実現しなかった。昨年6月には上海万博会場でコンサートを開催する予定だったが、ファン殺到による会場の混乱が懸念されて中止になった。10月には中国漁船衝突事件で日中関係が悪化したため、「昨今の状況を見て、お客さまの安全確保を考慮」(ジャニーズ事務所)して中止。さらに今年に入ってからも今月中国公演を予定していたが、東日本大震災のため実現しなかった。
だから、今回の公演が実現してSMAPもホッとしたことだろう。というのも、ファンなら先刻御承知のように今年はSMAP20周年。中国公演も、この記念のモニュメントのひとつと数えられていたからである。
「思う壺」というのは、前回ご紹介したように、北京公演は中国政府の肝いりで開催された。中国政府による反日感情を抑えるための役割を担わされたのに、単純なキムタクはひっかかってしまったというニュアンスである。
だが、政治家が政治的な策略としてその歌手を招いたとしても、歌手には何の罪もない。いかなる意味づけの公演であろうが、SMAPのメンバーがテンションをあげるのはプロとして当然のことであろう。
もっとも、招かれたSMAPが存分に自分たちの仕事ができたかといえばそれは怪しい。『日刊スポーツ』(9月17日付)は次のように書いている。
「安全面を考慮して中国当局に“待った”を掛けられた部分もあった。火薬の使用は厳薬。客席を回るトロッコの使用も許可が下りなかった。さらに、客席との距離は15メートル。花道はなく、通常公演の倍の距離が置かれた。木村拓哉(38)は、『OKですよ、という範囲が違う。客席が遠い』と驚いた。稲垣吾郎(37)は「決まりは決まり。逆にこういうことをやることで大丈夫と思っていただいて、意識が変わるきっかけにねればうれしいですね』と前向きに捉えた。
SMAPの公演は4時間近くに及ぶこともあるが、当局から約2時間と設定された。公演時間が半分の分、魅力を凝縮した内容で構成。木村と共演し、中国でも人気の台湾出身、女優リン・チーリンを特別ゲストで招待。また、『夜空ノムコウ』『世界に一つだけの花』やテレサ・テンらが歌った中岡の人気曲『月亮代表我的心(月は私の心)』を中国語で歌い上げた」
記者会見には、扇千景元参議院議長や脚本家の橋田壽賀子なども出席していた。橋田は、『女性セブン』(10月13日号)にそのときの経緯や心境を述べているので引用しよう。
「(ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』を)この20年間で、スペシャルも含め、約540時間分の脚本を書きました。400字詰めの原稿用紙で3万2000枚。8月初めごろにようやく書き終えて、やれやれと思っていたところに、TBSの関係者から、北京公演のお誘いを受けたんです。それで『はい、行きます、行きます』ってふたつ返事をしました。
脚本家っていうのは、とにかく孤独に耐えて、ひとりで書くのが仕事ですから、精神的にも肉体的にも参ってしまいます。そんなときに、大好きなSMAPの“追っかけ”をするだけで気分転換になるし、元気をもらえるんですよ。
そうしたら、北京に行く3日前に、ジャニーズ事務所から北京公演のパンフレット一式が送られてきて、それを見たら、なんと私が“応援団長”になっているからビックリ!
北京へは1ファンとして、Tシャツにスニーカーという“普段着”で見に行こうと思ってたんですが、それを(泉)ピン子(64才)に見せたら、
「中国の偉い人に会うことになるかもしれないわよ。そんな普段着で行っちゃダメよ!」と言われて、慌てて洋服ダンスからロングドレスを出して、持っていくことになったんですよ(笑い)」
SMAPは過去にも中国公演を企画しながらなかなか実現しなかった。昨年6月には上海万博会場でコンサートを開催する予定だったが、ファン殺到による会場の混乱が懸念されて中止になった。10月には中国漁船衝突事件で日中関係が悪化したため、「昨今の状況を見て、お客さまの安全確保を考慮」(ジャニーズ事務所)して中止。さらに今年に入ってからも今月中国公演を予定していたが、東日本大震災のため実現しなかった。
だから、今回の公演が実現してSMAPもホッとしたことだろう。というのも、ファンなら先刻御承知のように今年はSMAP20周年。中国公演も、この記念のモニュメントのひとつと数えられていたからである。
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- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2014/07/16
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